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【2026】エルニーニョは釣りにどう影響する?海水温・天候の変化を地域別にまとめ

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2026年の春、日本周辺で約2年ぶりにエルニーニョ現象が発生しました。気象庁は、秋にかけて続く可能性が高いと発表しています。では、エルニーニョは私たちの釣りに、どんな影響を与えるのでしょうか。

エルニーニョは海水温・天候・海流という「釣り場の背景」を、良くも悪くも少しずつずらしていく現象です。この記事では、エルニーニョが釣りに及ぼす良い影響・悪い影響を、地域別に整理してお伝えします。

エルニーニョ現象とは(2026年の状況)

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域(日付変更線付近から南米沖)の海面水温が、平年より高い状態で続く現象のことです。気象庁は、監視海域の海面水温が基準値より一定以上高い状態が半年以上続いた場合をエルニーニョと定義しています。これが地球規模で大気の流れを変え、日本を含む各地の天候に影響します。

エルニーニョのしくみ(概念図)

通常時 暖かい海水 冷たい水が 湧き上がる 貿易風(東風)が吹く 西(インドネシア付近) 東(南米沖) エルニーニョ時 暖かい海水が東へ広がる 貿易風が弱まる 西(インドネシア付近) 東(南米沖) → 東部(南米沖)の海面水温が平年より高くなる=エルニーニョ

貿易風(東風)が弱まると、ふだん西にたまっている暖かい海水が東へ広がり、南米沖の水温が上がります。これがエルニーニョ現象です。

気象庁は2026年6月、今春からエルニーニョが発生したとみられ、秋にかけて続く可能性が高いと発表しました。2024年に終息して以来の発生です。海外の機関からは、今回は規模の大きい「スーパーエルニーニョ」になる可能性を指摘する声もあります。

いま、どのくらい? エルニーニョ監視指数(2026年5月)

-1℃ +2℃ 基準値(0℃) エルニーニョの目安 +0.5℃ 2026年5月 +1.2℃

海面水温が基準値より+0.5℃以上高い状態が6か月以上続くと「エルニーニョ」とされます。2026年5月は+1.2℃で、すでに発生中の状態です(出典:気象庁)。

エルニーニョが海と天候に起こす3つの変化

釣りへの影響を見る前に、エルニーニョが海と空に何を起こすのかを押さえておきます。大きく3つです。

① 気温(冷夏・暖冬の傾向)

エルニーニョの年は、夏は平年より低く(冷夏)、冬は平年より高く(暖冬)なりやすいとされています。ただし、これはあくまで傾向です。近年は地球温暖化の影響が上回り、エルニーニョでも猛暑になる年が増えています。実際、気象庁は2026年の夏(6〜8月)について、太平洋高気圧の影響などで全国的に平年より高い見込みとしています。「エルニーニョ=必ず冷夏」ではない点に注意が必要です。

② 台風・大雨

エルニーニョの年は、台風の寿命が長く、動きが遅くなりやすいと言われています。動きの遅い台風は同じ地域に長く居座り、大雨や高潮の影響が長引きやすくなります。集中豪雨が増える傾向も指摘されています。

③ 海水温・海流

日本近海の海水温は、地球温暖化に黒潮の変動やエルニーニョなどが複雑に絡んで、上昇傾向にあります。水温が上がると、餌の出発点であるプランクトンが減り、魚は適した水温や餌場を求めて移動します。実際、過去20年ほどで「西日本の魚」とされてきたタチウオやサワラ、スズキなどの主な産地が、北東へ移動していることが報告されています。黒潮の流れる道筋(流路)が変わることも、回遊魚のコースを左右します。

大切なのは、海水温の変化はエルニーニョ「だけ」が原因ではない、ということです。温暖化、黒潮の変動、その時々の天候——いくつもの要因が重なって決まります。だから、何でもエルニーニョのせいにはできません。

過去のエルニーニョで何が起きたのか

エルニーニョが海や釣りにどう響くのかは、過去の事例を見るとイメージしやすくなります。ただし、いずれも複数の要因が重なった結果であり、エルニーニョだけが原因と言い切れるものではありません。代表的な出来事を3つ紹介します。

1972〜73年

ペルーの不漁が、日本の食卓を直撃

南米ペルー沖は、世界有数のカタクチイワシ(アンチョビ)の漁場です。強いエルニーニョで海水温が上がると、この漁が記録的な不漁になりました。カタクチイワシは家畜の飼料に使われていたため、代わりに大豆の需要が急増して価格が高騰。日本でも「大豆ショック」と呼ばれ、豆腐など大豆製品が値上がりしました。遠い海の異変が、巡り巡って食卓に届いた例です。

1993年

記録的な冷夏と「平成の米騒動」

1993年、日本はおよそ80年ぶりの大冷夏に見舞われました。北日本では「やませ」と呼ばれる冷たい北東風が長く吹き、東北・北海道を中心に深刻な冷害が発生。コメの作況指数は「74」という記録的な不作となり、店頭からコメが消えてタイ米などを緊急輸入する事態に発展しました。この冷夏は、1991年のピナトゥボ火山の噴火や偏西風の蛇行も大きな要因とされ、エルニーニョはそのうちの一つと位置づけられています。海でも、低い水温は魚の動きに影響します。

1997〜98年・2015〜16年

海水温の上昇と、サンゴの大規模な白化

規模の大きい「スーパーエルニーニョ」が起きた1997〜98年には、世界の海水温が大きく上がり、世界のサンゴ礁のおよそ16%が死滅したとされる大規模な白化が起こりました。沖縄・琉球列島でも全域で白化が確認され、一部ではサンゴ群体が死滅。白化の前後で、その場所にすむ魚の種類が変わったことも報告されています。2015〜16年のエルニーニョでも、グレートバリアリーフで大規模な白化が起きました。サンゴは多くの魚にとって住みかであり、その変化は釣りにも無関係ではありません。

近年は、こうした「冷夏」はむしろ起きにくくなっています。2010年代以降は地球温暖化の影響が強まり、エルニーニョの年でも猛暑になることが増えました。過去の出来事はあくまで参考で、同じことが2026年に必ず起きるわけではありません。その前提で読んでください。

釣りへの影響:良い面と悪い面

では本題です。上の変化は、釣りにどう響くのでしょうか。良い面と悪い面の両方があります。

暖冬による影響

良い面:厳しい寒さが和らぎ、真冬でも穏やかに竿を出せる日が増える可能性があります。水温が下がりきらず、晩秋〜初冬の釣りが長引くこともあります。

悪い面:逆に、しっかり冷え込むことで活性が上がる「冬の釣り物」は、不調になる可能性があります。雪や時化のタイミングもずれます。

冷夏(傾向)による影響

良い面:酷暑が和らぐ年は、釣行そのものが快適になります。高水温による喰い渋りが緩むこともあります。

悪い面:水温が上がりきらず、夏の魚の出足が遅れることがあります。※ただし2026年は猛暑予報のため、今年に関しては「冷夏前提」で考えないほうが無難です。

台風・大雨による影響

悪い面:これはほぼマイナスに働きます。出船や釣行の機会が減り、海は荒れ、濁ります。動きの遅い台風は影響が長引きます。安全第一で、無理は禁物です。

高水温・魚の分布移動による影響

悪い面:その土地の定番だった魚が減ったり、沖や深場へ散ったりします。サンゴの白化など、生態系そのものへの打撃も懸念されます。

見方次第:これまでその地域にいなかった南方系の魚が入ってくることもあります。釣り人によっては、新しい出会いになるかもしれません。

【地域別】エルニーニョの影響まとめ

影響は地域によって出方が違います。断定はできませんが、意識しておきたい傾向を5ブロックでまとめます。いずれも「必ずこうなる」ではなく「こうした傾向が考えられる」という話です。

日本周辺の海流と5地域(地図)

日本周辺の海流と5地域(北海道・東北/関東・東海/北陸・山陰/近畿・四国・九州/沖縄・南西諸島)と暖流・寒流を示した地図

色は下にある各地域カードと対応しています。暖流(黒潮・対馬暖流)と寒流(親潮)の流れ、温暖化などで魚の分布が北東へ移りつつあることのイメージです。

北海道・東北

暖冬傾向で、寒さの厳しい時期の釣行ハードルが下がる年も。

太平洋側では三陸沖などで高水温が観測されており、冷たい水を好む魚への影響や、海況の振れ幅が懸念されます。

関東・東海

暖冬で晩秋〜初冬の釣りが延びる可能性。

黒潮の影響を強く受ける海域です。黒潮の流路(大蛇行など)次第で、回遊魚のコースや水温が大きく変わり、従来の魚種構成が崩れる懸念もあります。

北陸・山陰(日本海側)

暖冬で、冬の釣行可能日が増える年も。

対馬暖流と冬型の気圧配置の影響を受ける海域です。雪や時化のパターンがずれ、海が荒れる時期が読みにくくなります。

近畿・四国・九州(瀬戸内含む)

暖流の影響で、南方系の魚との出会いが増えることも。

台風・大雨の通り道になりやすく、釣行機会への影響が大きい地域です。閉鎖的な瀬戸内では、水温や濁りの影響が出やすい面もあります。

沖縄・南西諸島

もともと冬も比較的釣りやすい地域です。

ただでさえ高い水温がさらに上がると、サンゴ白化など生態系への打撃が大きく、台風の影響も直接受けます。海況の振れ幅が大きくなります。

ラニーニャ現象との違い

エルニーニョの反対が、ラニーニャ現象です。同じ海域の海面水温が、逆に平年より低くなる状態を指します。日本への影響もおおむね逆で、夏は猛暑、冬は寒冬になりやすく、台風の接近数が増えやすいとされています。エルニーニョの後はラニーニャへ移行しやすいため、来年以降の海を考えるうえでも、セットで知っておくと役立ちます。

筆者の視点:沖縄の海で感じていること

最後に、私自身が沖縄で感じていることを、ひとつの記録として共有します。

正直なところ、今年は2月から5月にかけて、私の釣果は例年より極端に悪い状態が続きました。そして6月の初め、台風6号が沖縄本島を直撃しています。例年より早い時期の、強い台風でした。

ここで誠実に言っておきたいのは、これらが「エルニーニョのせいだ」と私が断定することはできない、ということです。釣果の不調には、水温や潮、自分の通い方など、いくつもの要因があります。台風も、毎年あるものです。一人の釣り人が、自分の数か月の経験だけで原因を言い切るのは、たぶん正しくありません。

それでも、海の様子が普段と少し違うように感じているのは事実です。だからこそ決めつけずに、自分の目で海を見続けたいと思っています。

まとめ

エルニーニョは、釣り場の環境を良くも悪くも変えていく現象です。暖冬で釣行しやすくなる面もあれば、台風や高水温、魚の分布の変化といったマイナス面もあります。そして、その影響は地域によって出方が違います。

大切なのは、「エルニーニョだから釣れる/釣れない」と決めつけないことです。最終的に頼りになるのは、いまこの瞬間の水温や海況を、自分で確かめること。この記事が、海で起きていることを知るきっかけになればうれしいです。

魚そのものについては、魚図鑑・雑学のページでも紹介しています。

よくある質問

エルニーニョは釣りに良いの?悪いの?

一概には言えません。暖冬で釣行しやすい日が増えるなどの良い面もあれば、台風・高水温・魚の分布の変化といった悪い面もあります。地域や時期によって出方が変わります。

2026年のエルニーニョはどうなりますか?

気象庁は、2026年春に発生したとみられ、秋にかけて続く可能性が高いと発表しています。なお今年の夏は、エルニーニョの年でありながら、全国的に平年より暑い見込みとされています。

暖冬だと冬の釣りはどう変わりますか?

穏やかで竿を出せる日が増える一方、しっかり冷え込むことで活性が上がる魚は不調になる可能性があります。良い面と悪い面の両方が出ます。

エルニーニョのせいで釣れないことはありますか?

直接の因果を断定することはできません。ただ、水温や海流、天候の変化が、間接的に釣果へ影響する可能性はあります。

過去のエルニーニョではどんなことが起きましたか?

1993年には記録的な冷夏から「平成の米騒動」と呼ばれるコメ不足が起き、1997〜98年などの強いエルニーニョの年には、世界的な海水温の上昇でサンゴの大規模な白化が起きました。いずれもエルニーニョだけが原因ではなく、複数の要因が重なった結果です。

※本記事の気象に関する記述は、2026年6月時点の気象庁の発表などにもとづいています。最新の状況は気象庁の「エルニーニョ監視速報」などをご確認ください。