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1. はじめに:なぜ「釣り×防災」を真面目に考えるべきか
釣り場は、海や川・湖の「水際」にあります。
水際は景色もよくて気持ちいい場所ですが、同時に 自然災害の影響を強く受ける場所 でもあります。
- 地震が起きれば津波や岸壁の損壊につながる
- 急な雷は、ロッドそのものを“避雷針”に変えてしまう
- 強風・高波・急な増水は、足場そのものを一瞬で危険地帯に変える
過去の災害では、「釣りや海辺のレジャー中に被災した」事例も少なくありません。
この記事では、釣果より命を優先するための具体的な行動指針を、釣り人目線でまとめます。
2. 釣り人が意識したい主な自然災害
釣り中に特に意識すべき自然災害は、ざっくり以下の4つです。
- 地震
- 堤防・テトラ・崖・護岸の崩落
- その後の 津波 につながる
- 津波
- 海釣り全般(堤防・磯・サーフ・河口)に直結する最大リスク
- 雷
- カーボンロッドを持っている釣り人は、実質「地面から伸びた避雷針」
- 高波・急な増水・突風
- サーフ・磯・河川・湖での「一発アウト」要因
場所別に整理すると、こんなイメージになります。
- 堤防・港湾:地震→崩落/津波、雷、高波
- サーフ:津波、高波、突風、雷
- 磯:高波・セット波、地震・津波、落水
- 河川:急な増水・流木、雷、地震による崖崩れ
- 湖:突風・落水、雷、土砂災害
3. 出発前にできる「釣り人の防災チェック」
釣り場に立つ前の数分でできる準備が、非常時の生死を分けます。
3-1. 天気・海況・河川情報のチェック
- 気象予報(雨・風・雷注意報)
- 雷レーダー・降水レーダー
- 波浪・うねり・風向きの予報
- 河川なら「水位情報」「ダム放流情報」
「ちょっと怪しいな」と感じたら、
“釣りに行かない”という選択肢も含めて検討するのが、防災的には正解です。

3-2. 避難場所・高台・安全な場所の確認
- よく行く堤防・磯・河口について
- 一番近い 高台・避難タワー・堤防内側 はどこか
- 津波避難ビルや指定避難場所があれば、位置だけでも把握しておく
地図アプリの「航空写真+標高表示」などを使って、
「ここで大きな揺れが来たら、どこに逃げるか?」 を出発前に1回だけイメージしておくと、現場で迷いにくくなります。
3-3. 行き先と時間の共有
- 家族・パートナー・友人などに
- 「今日は〇〇港(〇〇川)に行く」
- 「だいたい〇時〜〇時くらいまで」
をざっくり伝えておく
- ソロ釣行が多い人ほど、“もしものときに自分の行き先を知っている人” をつくっておく

3-4. 最低限の装備
- ライフジャケット(膨張式でも固形式でも、とにかく装着する)
- ホイッスル(助けを呼ぶため)
- 防水ライト(ヘッドライト or 小型ライト)
- モバイルバッテリー+ケーブル
- 雨具(急な雨・防寒にもなる)
4. 釣り中の地震への対処法
4-1. 海釣り(堤防・サーフ・磯)の場合
強い揺れ・長い揺れを感じたら、「すぐに釣り中止」が原則です。
- 揺れを感じたら
- まず足元の安全を確保(しゃがむ・転倒しない姿勢)
- 落水しそうな場所(テトラの端、濡れた磯のフチ)からは一歩内側へ
- 揺れが収まったら
- ロッドやクーラーボックスは置いていく前提で行動
- テトラや崩れそうな堤防際を避けて、速やかに陸側・高い場所へ
「道具を回収してから」「車に仕舞ってから」という発想は危険です。
命より大切なタックルは存在しない、と決めておきましょう。

4-2. 河川・湖の釣りの場合
河川・湖での地震は、
- 崖崩れ・落石
- 橋脚・護岸の損壊
- 土砂災害
につながるリスクがあります。
- 崖下・橋の真下・法面の下など → 揺れを感じたら、まずそこから離れる
- 落石が起きそうな狭い谷間は避け、開けた場所 or 高台へ移動
地震そのものよりも、「揺れのあとに、どこが崩れてくるか」 を意識すると動きやすくなります。
5. 地震後の「津波」をどう想定するか
釣り中の海辺で地震が起きたとき、次に考えるべきは 津波 です。
5-1. 津波を疑うべきサイン
- 強い揺れ(立っていられないレベル)
- 長い揺れ(体感で1分以上続く)
- 防災無線・サイレン・スマホの津波警報
- 海が急に引いていく・異常な潮の動きが見える
これらのどれか1つでも当てはまるなら、
「一刻も早く高い場所へ逃げる」
ことを最優先にします。
5-2. 逃げる方向と手段
- 海釣り中に地震 → 基本は 「海と逆方向」かつ「より高い場所」 へ
- 車での避難が渋滞しそうな場所(埠頭の一本道など)では、徒歩の方が速いことも多い
迷ったら、
- 「海から遠ざかる・高いところへ」を優先
- 車や荷物は捨てていい、という前提で考える
5-3. 絶対にやってはいけないこと
- 防波堤の先端やテトラの上に “様子を見に行く”
- SNSやライブカメラを見に、海の近くへ寄る
- 「警報が解除されてないけど、だいぶ時間が経ったから戻る」
津波は 第一波よりも第二波・第三波の方が大きい ケースも多く、
安全確認や警報解除が出るまでは絶対に釣り場へ戻らない、が基本です。
6. 釣り中の雷への対処法
雷は発生から落雷までのスピードが速く、
「気づいたときには危険域」というパターンが多い災害です。
6-1. 危険サインを早めに察知する
- 黒く厚い雲が近づいてくる
- 急に冷たい風が吹き始める
- 遠くで「ゴロゴロ」という雷鳴が聞こえる
このどれか一つでも感じたら、
「すぐ帰る/すぐ避難する」方向で動き始める
が正解です。
「もうちょっとだけやるか」という判断が、一番危ないタイミングです。
6-2. なぜロッドが危険なのか
- カーボンロッドは電気を通しやすい
- 長いロッドを立てていると、周囲より高い位置に突き出た“避雷針”になる
- 堤防・磯・湖畔など、開けた場所で高いものを持つのは非常に危険
雷の気配を感じたら、
- ロッドをしまう or 地面に寝かせる
- 傘やタモ網など、高い金属物も使わない

6-3. どこへ避難するか
- 近くに車がある
- 車内に避難(車は“ファラデーケージ”効果で比較的安全)
- 建物がある堤防・港
- コンクリートの建物内へ避難
- 磯・サーフなど建物がない場所
- できるだけ低い場所に移動しつつ、 高い樹木・鉄塔・単独の電柱などからも距離を取る
NG行動
- 水面に近い場所にしゃがみ続ける
- ロッドを持ったまま走る
- テントやパラソルのポールのそばにいる
7. 高波・急な増水・突風への備え
7-1. サーフ・磯の高波(セット波)
- 普段の波より、数本に一度だけ大きな波(セット)が来る
- 磯の先端やサーフのブレイク際に立っていると、一発で持っていかれる 可能性
対策としては、
- 濡れている岩=「そこまで波が来ている」サイン
- 荒れ気味の日は、フチから一歩以上下がって立つ
- 「写真映え」を優先してギリギリに立たない
7-2. 河川の急な増水
- 上流の雨・ダム放流で、見た目が穏やかでも急に増水することがある
- テトラ・中州・河原の低い場所は「戻れなくなるリスク」がある
対策としては、
- 河川水位・ダムの放流情報を事前にチェック
- 雨が降っていなくても、上流の天気に注意
- 「何となく水位が上がってきた気がする」と感じたら、すぐ高い場所へ移動
7-3. 突風・ダウンバースト
- 湖・ダム湖でテント・タープを張っているとき
- サーフや堤防で、急な横風・突風
これらは、
- ロッドをあおる
- タープ・パラソル・チェアを吹き飛ばす
- 体ごとバランスを崩す
といった二次被害を生みます。
強風予報の日は、道具の設置場所と避難方向を先に決めておくと安全です。
8. ソロ釣行とファミリーフィッシング、それぞれの注意点
8-1. ソロ釣行の場合
- 行き先・時間帯を誰か一人には共有しておく
- スマホの位置共有機能(例:友人や家族との位置共有)も検討
- 「この状況になったら即帰る」という自分ルールを決めておく
8-2. 子ども連れ・ファミリーフィッシングの場合
- 子どもは 必ずライフジャケット着用(堤防・河川・湖すべて)
- 親が夢中にならない(片方は常に“見張り役”)
- 地震・津波・雷のときに「どうやって一緒に逃げるか」を、ざっくりイメージしておく

9. 釣り人向け「防災持ち物リスト」
必須クラス
- ライフジャケット(腰巻き式でもOKだが、子どもは固形式推奨)
- ホイッスル(ライフジャケットに結んでおく)
- 防水ライト(ヘッドライト or 小型ライト)
- モバイルバッテリー+ケーブル
- 防水スマホケース or ジップロック
できれば持ちたいクラス
- 簡易救急セット(絆創膏・消毒・テーピング)
- 500mlペットボトルの水(飲用+洗浄用)
- カロリーメイト的な非常食
- 軽量レインウェア(防寒も兼ねる)
車・バイク釣行なら積んでおきたいもの
- 予備のタオル・ブランケット
- 車載用充電器
- 軍手・簡易ロープ
- 非常時の連絡先(家族・自治体・海上保安庁など)のメモ
10. まとめ:命あっての釣り。撤退も“上手な釣り”のうち
自然相手の遊びである以上、「ゼロリスク」は存在しません。
ただし、
- 出発前に情報をチェックする
- よく行く釣り場の避難ルートを一つだけ覚えておく
- 危険を感じたら、釣果より撤退を選ぶ
といった小さな積み重ねで、リスクは確実に下げられます。
ロッドやルアーは、また買える。
命と、大切な人との時間は、二度と買えない。
そう割り切って、「今日はやめておく」「今は逃げる」という判断ができる釣り人こそ、
長く釣りを楽しめる人だと思います。
この記事を読み終わったら、まず一つだけ行動してみてください。
- よく行く堤防 or 河川 or サーフについて 「最寄りの避難場所・高台」を地図アプリで一度だけ確認する
それだけでも、次にその釣り場に立ったとき、あなたの“安全に逃げる力”が一段上がっています。
パンダ Fishing Club 
