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釣竿の継ぎ方を図解で解説|並継ぎ・印籠継ぎ・逆並継ぎ・振出の違いとメリット・デメリット【パックロッド版】

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パックロッドやトラベルロッドを選んでいると、スペック表の中に「並継」「インロー継(印籠継)」「逆並継」「振出」という言葉が出てきます。字面だけだと似たような継ぎ方に見えますが、実はロッドの曲がり方・パワーの出方・携行性まで左右する、かなり性格の違う構造です。

この記事では、筆者が実際に使用しているパックロッドを例に、4つの継ぎ方式すべての構造・メリット・デメリットを1本ずつ深掘りします。実使用で裏付けられるものは実使用ロッドを、そうでないものは各方式を象徴する代表モデルを挙げながら解説し、最後に一覧表で比較できるようにしました。「このロッド、何で多ピースなのにこんなに硬いんだろう」「高いロッドほど継ぎ目が目立たないのはなぜ?」という疑問の答えが見えてくるはずです。

シマノ・ダイワのパックロッドをシリーズごとに比較したい方はこちら→シマノ・ダイワ パックロッド全シリーズ比較

そもそも「継ぎ」とは?ロッドを分割する2つの大枠

ロッドを複数本に分割する方式は、大きく「振出(ふりだし)」と「継竿(つぎざお)」の2系統に分かれます。振出は望遠鏡のように節を伸縮させる方式で、仕舞寸法は短くなりますが、元節にすべての節を収める構造上どうしても太く重くなりがちです。

一方の継竿は、2本以上のブランクを差し込んで繋ぐ方式で、パックロッドやトラベルロッドの主流はこちらです。この継竿には、さらに繋ぎ方の違いで「並継」「逆並継」「インロー継(印籠継)」という3つの系統があります。つまり継ぎ方には実質4つの選択肢があり、この記事ではその4つすべてを順番に見ていきます。

⭐ 筆者が実際に使用中(バイク釣行3年・実釣多数)

シマノ スコーピオン 2602R-5

シマノ スコーピオン 2602R-5(並継ぎ・5本継ぎ)
この記事で解説する「並継」構造の代表例。仕舞44.1cmながらライトブッコミで40cmオーバーを獲れるバットパワーを持っています。

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①並継ぎ(なみつぎ)とは

並継ぎは、太いバット(手元)側のブランクに、穂先側のブランクを直接差し込んで重ね合わせる方式です。差し込む側のブランク外径を、受ける側のブランク内径にぴったり合わせて作るだけなので、構造としてはシンプルです。

バット側(太) 穂先側(細) 重なり(隠れる)
太いバット側ブランクの内部に、細い穂先側ブランクを差し込んで重ね合わせる。点線部分は差し込まれて隠れる範囲。

この「差し込むだけ」のシンプルさが、並継ぎ最大の強みです。継ぎ目専用の芯材(後述するインロー継ぎの「芯」)を別途仕込む必要がなく、継ぐたびにバット側がわずかに太くなる以外は特別な加工を要しません。そのため8本、9本と継数を増やしてもコストや重量が跳ね上がりにくく、多ピース化・携行性の追求にもっとも向いた構造です。実際、がまかつの携行性重視モバイルロッド「ラグゼ パックスタイル」シリーズも、A4サイズで8〜9本継ぎという極小ピース設計を並継ぎ構造で実現しています。

力学的には、継ぐごとにバット側が太くなっていく「ハイテーパー」な設計になりやすく、バット側に強いパワーを持たせやすい一方、穂先側は相対的に柔らかくなる傾向があります。大型魚を強引にずり上げる場面や、遠投性能を重視するシーンに強い反面、PEラインを多用する繊細な操作性では一歩譲る、という評価が一般的です。

メリット:多ピース化しやすい/バットパワーが出やすい/低コストで強度を確保しやすい
デメリット:手元側が硬くなりやすい/継数が多いほど穂先が相対的に柔らかくなる

💡 豆知識:並継ぎは継ぐたびにバット側が太くなる構造上、継数を増やすほど手元側がどんどん太くなっていきます。そのため8〜9本継ぎのような極小仕舞サイズのパックロッドでは、各ピースの肉厚やカーボン配合を細かく調整し、「太くなりすぎず、かつ継ぎ目で折れない」バランスを取ることが設計上の勝負所になります。
ダイワ ルアーニストモバイル 96MH-4

ダイワ ルアーニストモバイル 96MH-4筆者実使用
並継ぎ・4本継ぎ / 全長2.90m / 仕舞78cm / 自重205g / 適合ルアー10〜40g
バット側のパワーを活かし、タマン・ガーラなどのブッコミ釣りで使用

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⭐ 筆者が実際に使用中

ダイワ ルアーニストモバイル 96MH-4

ダイワ ルアーニストモバイル 96MH-4(並継ぎ・4本継ぎ)
並継ぎのバットパワーを活かし、タマンやガーラなど中型以上をブッコミで狙う時の主力ロッドです。

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②インロー継ぎ(印籠継ぎ)とは

インロー継ぎ(印籠継ぎ・スピゴットフェルール)は、並継ぎとは逆の発想の構造です。ブランクの継ぎ目部分の内側に、専用の「芯(ペグ)」を固定し、その芯を介して両側のブランクを継ぎます。継ぐ両側のブランク自体は同じ太さのまま作れるため、継ぎ目の前後で竿の太さが変わらないのが最大の特徴です。

名前の由来は、江戸時代の携帯用薬入れ「印籠」。本体とフタがぴったりとはめ合う、あの精密な合わせ構造が語源になっています。竿の継ぎ目にも同じような精密なはめ合わせが求められることから、この名前が付きました。

バット側 穂先側 芯(ペグ・隠れて見えない)
継ぎ目内部の専用の芯(ペグ)で接合するため、外径は継ぎ目の前後で変わらない。

継ぎ目で太さが変わらないため、1本物のブランクに近い自然でスムーズな曲がりが出せ、感度や見た目の美しさで並継ぎに一歩勝ります。高級ロッドの多くがこの構造を採用するのはこのためです。一方で、専用の芯材を仕込む分だけ重量が増え、芯の精度を出すための設計・加工コストもかさみます。継ぎ目を増やすほどこのコストと重量増が積み重なるため、8本、9本という極小ピース化には向かず、2ピース〜3ピースの高級機で採用されるのが一般的です。また、ロッドのアクション(曲がり特性)を大きく変える場合は芯材そのものを作り変える必要があり、並継ぎより開発・製造のコストが高くなりやすい点も特徴です。

メリット:継ぎ目が目立たない自然な曲がり/感度・見た目に優れる
デメリット:芯材分の重量増/コストが高い/多ピース化には不向き

💡 豆知識:インロー継ぎは竿のアクションを変えるたびに芯材(ペグ)の設計を見直す必要があり、並継ぎに比べて金型・治具のコストが開発費に直結しやすい構造です。そのため5本継ぎ以上のパックロッドで採用される例は多くありませんが、筆者が実際に使用しているアブガルシア「ズームサファリ」は5本継ぎでありながらこのインロー継ぎ(スピゴットジョイント)を採用した珍しい例です。
アブガルシア ズームサファリ

アブガルシア ズームサファリ筆者実使用
インロー継ぎ・5本継ぎ(代表モデル705ML) / 仕舞49.4cm / 自重144g
5本継ぎのパックロッドながらスピゴットジョイント(印籠継ぎ)を採用。筆者のマイセット4本の1本として愛用

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⭐ 筆者が実際に使用中

アブガルシア ズームサファリ

アブガルシア ズームサファリ(インロー継ぎ・5本継ぎ)
5本継ぎのパックロッドでありながらインロー継ぎを採用した珍しい1本。筆者のマイセット4本の1本として日常的に使用しています。

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③逆並継ぎ(ぎゃくなみつぎ)とは

逆並継ぎ(プットオーバーフェルール)は、並継ぎとちょうど「逆」の差し込み方をする構造です。並継ぎがバット側に穂先側を差し込むのに対し、逆並継ぎは穂先側の太いブランクにバット側を差し込みます。継ぎ目から先(ティップ側)が太く、継ぎ目から手元(バット側)が細くなるのが見た目の特徴です。

バット側(細・差込側) 穂先側(太・受け側) 重なり(隠れる)
並継ぎと逆方向。穂先側の太いブランク内部に、バット側の細いブランクを差し込む。

この方式最大のメリットは、インロー継ぎのような専用の芯材を使わずに、継ぎ目の太さをある程度コントロールできる点です。バット側のブランクを細身に作れるため、インロー継ぎと同様に印籠の芯を抜いた分の軽量化が見込めます。さらにバット側のしなりを活かしやすいため、伸びないPEラインを使うシーバスやエギングのような「曲げて溜めて弾く」釣りとの相性が良いとされます。

一方デメリットとしては、差し込まれる側(バット側)のブランクを細く仕上げる必要があるため、並継ぎほどの肉厚を持たせにくく、強度面では並継ぎに一歩譲る傾向があります。大型魚を強引に寄せるような場面では、並継ぎのハイパワーな設計の方が安心感があるとする声もあります。

メリット:芯材なしで軽量化できる/バットのしなりを活かしやすくPEライン主体の釣りに向く
デメリット:バット側が細くなるため並継ぎより強度面では一歩譲る傾向

💡 豆知識:逆並継ぎはオフショアキャスティングロッドやジギングロッドなど肉厚ブランクが求められる竿で昔から採用されてきましたが、2026年に登場したダイワの新フラッグシップシーバスロッド「モアザン ブランジーノ CGS」(2本継ぎ・税抜175,000〜185,000円)は、従来のインロー継ぎからあえて逆並継ぎに変更した例です。開発者はメディア取材で「印籠継の芯を抜くことで軽量化している」「逆並継でもジョイントが極端に太くならずシャープな見た目に作れるようになった」と説明しており、高級2ピース機にもこの方式が広がりつつあることがわかります。
ヤマガブランクス EARLY 84ML for Mobile

ヤマガブランクス EARLY 84ML for Mobile
逆並継ぎ+並継ぎ・4本継ぎ / 全長2540mm / 仕舞66.7cm / 自重126g / 適合ルアー5〜24g・PE0.6〜1.2号
メーカー公式スペックに「ジョイント:逆並継ぎ+並継」と明記されたシーバス用パックロッド

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⭐ 逆並継ぎを採用したパックロッドの代表モデル

ヤマガブランクス EARLY 84ML for Mobile

ヤマガブランクス EARLY 84ML for Mobile(逆並継ぎ+並継ぎ・4本継ぎ)
仕舞66.7cmのシーバス用パックロッド。メーカー自身が継ぎ構造を「逆並継ぎ+並継」と明記している、数少ない実例です。

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④振出(ふりだし)とは

振出は、継竿とは別系統の構造です。太い元節(もとぶし)の中にすべての節を順番に収め、望遠鏡のように伸ばして使います。使う時は伸ばすだけ、しまう時は縮めるだけなので、継竿のように各ピースを1本ずつ抜き差しして組み立てる手間がありません。

収納時(短い)

伸ばす

使用時(伸ばした状態)

元節の中にすべての節を収め、使う時だけ伸ばして固定する。点線は内部に収まっている隠れた節。

この「組み立てが不要」という手軽さが振出最大のメリットです。ガイドの着脱も発生しないため、急いで準備したい状況や、荷物を最小限にしたいシーンに向いています。価格帯も比較的手頃なモデルが多く、入門用・サブロッドとして選びやすいのも特徴です。

一方デメリットもはっきりしています。元節の中にすべての節を収める構造上、元節自体がどうしても太く重くなります。また、継ぎ目(各節の重なり部分)に水や砂が入り込むと動きが悪くなったり破損の原因になったりするため、使用後の洗浄・乾燥が欠かせません。継竿(並継ぎ・逆並継ぎ・インロー継ぎ)と比べると、各節が重なる分だけ感度がわずかに落ちる傾向がある点も押さえておきたいポイントです。

メリット:組み立て不要で準備が速い/比較的安価/ガイド着脱の手間がない
デメリット:元節が太く重くなる/継ぎ目に水や砂が入ると故障の原因になる/継竿よりやや感度が落ちる傾向

💡 豆知識:パックロッド(分解式)と振出(テレスコピック)は、どちらも携行性を重視した構造ですが考え方が逆です。パックロッドは「継ぎ目で完全に分離できる」ことを追求し、振出は「分離させず、縮めるだけで済む」ことを追求しています。どちらが向くかは、携行時の確実な収納性(パックロッド)と、現場での組み立てのスピード(振出)のどちらを優先するかで選ぶとよいでしょう。
PROX マイクロソルト

PROX マイクロソルト(振出式)
振出式(分解式ではありません) / 仕舞35〜38cm
適合:ライトソルトルアー全般。分解せず縮めるだけの手軽さが魅力

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⭐ 振出の代表モデル

PROX マイクロソルト

PROX マイクロソルト(振出・テレスコピック)
仕舞35〜38cmで、分解せず縮めるだけの手軽さが魅力。アブガルシア・ゴチュール比較記事でも紹介している1本です。

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継ぎ方式 比較表

数値・傾向はあくまで一般的な目安です。同じ方式でもメーカー・モデルによって細かな作り込みは異なります。

方式 構造 メリット デメリット 多ピース化 代表的な竿
①並継ぎ バット側に穂先側を差込 多ピース化しやすい/バットパワー 手元が硬くなりやすい ◎得意 パックロッド全般
②インロー継ぎ 芯材を介して同径で継ぐ 継ぎ目が目立たない自然な曲がり 重量増・コスト高 △不向き 高級2〜3ピース
③逆並継ぎ 穂先側にバット側を差込 芯材なしで軽量化/PE向き バット側が細く強度は一歩譲る ○普通 シーバス・エギングロッド
④振出 筒状に収納し伸縮させる 組立不要・準備が速い 元節が太く重い/感度やや劣る ◎携行性最優先 防波堤竿・万能振出竿

よくある質問

Q. 並継ぎとインロー継ぎ、結局どちらが「良い」の?

A. 優劣ではなく用途の違いです。携行性・多ピース化を優先するパックロッドなら並継ぎ、継ぎ目の目立たない自然な曲がりを優先する高級2〜3ピースロッドならインロー継ぎが選ばれる傾向があります。

Q. 並継ぎのロッドは、インロー継ぎより弱い(折れやすい)の?

A. 単純に弱いわけではありません。並継ぎはバット側が太くなる分パワーを出しやすく、むしろ大型魚とのやり取りでは有利な場面もあります。感度や曲がりの自然さではインロー継ぎに一歩譲る、という違いです。

Q. 逆並継ぎとインロー継ぎは何が違う?見た目では分かりにくいのですが。

A. どちらも継ぎ目前後の太さの変化を抑えようとする方式ですが、インロー継ぎは専用の芯材を使い、逆並継ぎは芯材を使わずブランク同士の差し込み方向を変えることで対応します。芯材がない分、逆並継ぎの方が軽量化しやすい一方、強度面ではインロー継ぎや並継ぎに一歩譲るとされます。

Q. なぜ8本継ぎ・9本継ぎのパックロッドは、ほとんどが並継ぎなの?

A. インロー継ぎや逆並継ぎは継ぎ目ごとに精密な加工や設計の調整が必要なため、継数が増えるほどコストや重量が増えてしまいます。差し込むだけで継げる並継ぎの方が、極小ピース化に適しているためです。

Q. パックロッド(分解式)と振出(テレスコピック)式、何が違う?

A. パックロッドは継ぎ目で完全に分離するタイプで、並継ぎ・逆並継ぎ・インロー継ぎなどにより2ピースロッドに近い感度を保ちやすいのが特徴です。振出式は竿を縮めてしまい込むタイプで、より手軽ですが各節が重なる分やや感度は落ちます。

Q. 継ぎ目の構造は、ロッドのスペック表のどこを見ればわかる?

A. メーカーの製品ページや取扱説明書に「印籠継」「スピゴットフェルール」「逆並継」などと明記されていることが多いです。明記がない場合、5本継ぎ以上のパックロッドはほぼ並継ぎと考えてよいでしょう。

Q. 2026年の新作ロッドで逆並継ぎが増えているのはなぜ?

A. 加工技術の進化により、逆並継ぎでも継ぎ目を極端に太くせずシャープな見た目に仕上げられるようになったためです。ダイワ「モアザン ブランジーノ CGS」のように、従来インロー継ぎが担っていた高級機のポジションに、より軽量な逆並継ぎを採用する動きが出てきています。

継ぎ構造の違いを踏まえて、実際のシリーズを比較したい方はこちら→シマノ・ダイワ パックロッド全シリーズ比較/アブガルシア・ゴチュール・PROXほか パックロッド比較

筆者の実使用ロッド4本の選び方はこちら→あらゆる釣りに対応する、パックロッドの選び方:マイセット4本を紹介